四国お遍路は近年では自分探しの旅やパワースポット巡り、アクティブシニアの楽しみなどとして注目され、巡礼色が希薄化しています。
そのため、四国遍路と真言宗の関係を意識して巡礼を始める方はあまりいないかもしれません。
実は真言宗とも深いつながりのある四国お遍路と巡礼の基本作法についてご紹介します。
四国遍路とは
四国遍路は徳島県鳴門市にある1番札所の霊山寺(りょうぜんじ)から、香川県さぬき市にある88番札所の大窪寺(おおくぼじ)まで、約1,400kmの道を巡礼して回るものです。
徳島県は「発心(ほっしん)の道場」、高知県は「修行の道場」、愛媛県は「菩提(ぼだい)の道場」、香川県は「涅槃(ねはん)の道場」とされ、仏道修行の段階を辿りながら、四国4県を巡っていくプロセスです。
全行程を巡礼する場合、徒歩なら約40日を要し、仮に車を走らせても2週間ほどかかる長い道のりとなっています。
四国遍路の起源

真言宗の宗祖である空海(くうかい)は現在の香川県善通寺市の生まれです。
生まれ故郷である四国の地をしばしば訪れ、厳しい修行の場として活用していました。
四国遍路の八十八か所の霊場(れいじょう)も、空海が42歳の時に人々の災厄を除くための霊場として創設したと言われています。
もっとも、これには諸説あり、空海の弟子である真済(しんぜい)が、師の霊跡(れいせき)を巡って巡礼コースを創出し、後に真言宗の僧侶の修行の場として利用されるようになったという説もあります。
さらに、鎌倉時代に現在の愛媛県の強欲な豪農であった衛門三郎が、度重なる不幸に見舞われ、自身の行いを反省し、改心の旅に出て救われたのが、お遍路さんの始まりという説も地元では有名です。
修行僧ではなく、一般の方が願い事を叶えるためにお遍路さんを始めたのは、江戸時代後期になってからです。
近年では、納経帳(のうきょうちょう)や判衣(はんい)に朱印を押してもらうのを楽しみに巡礼を行う方も増え、年間に30万~40万人が訪れると言われています。
巡礼や札所での作法

お遍路さんをする際は、「同行二人(どうぎょうににん)」の精神が重要です。
これは、弘法大師様、生前の空海に導かれながら二人連れで前に進む意味です。
一人で巡る方も、弘法大師様とともにあります。
また、複数や団体で巡る方も、一人ひとりが弘法大師様と同行二人だということを忘れないでください。
「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と弘法大師様への帰依(きえ)の文言を唱えながら歩くのも、よく見られる光景です。
札所(ふだしょ)に着いたら、山門で一礼し、手水舎(ちょうずや)やで手と口を水で清めてから、お数珠は左手に持って、本堂へ進んでください。
納め札を納め、ロウソクと線香3本を供えて、賽銭を入れます。
数珠を3回すり合わせて、お経を唱えましょう。
もう一度、数珠を3回すり合わせ、ご自身の願いを丁寧に祈願します。
大師堂、そのほかのお堂へ行き、数珠を3回すり合わせてお経を唱える→数珠を3回すり合わせて祈願するを繰り返します。
ご朱印をいただく場合、お参りを終えてから納経所(のうきょうしょ)でいただきましょう。
山門を出て一礼したら、次の札所へと向かいます。
札所に参拝する際は本堂をはじめ、大師堂やその他のお堂に納め札を納めるのが習わしです。
納め札は札所で100枚100円~200円程度で購入でき、納め札の表には参拝年月日、氏名、居住地の自治体名などを書き、裏面に願い事を綴ります。
巡礼中に地元の方から、お茶やお菓子などの施しを受けるお接待を受けた際も、納め札をお礼としてお渡ししましょう。
まとめ
真言宗の宗祖である空海は四国の生まれで、四国の地をしばしば厳しい修行の地として選んだことから、空海が四国巡礼の祖とも言われています。
諸説あるものの、四国巡礼時には空海の法名である弘法大師と同行二人であることを基本に、正しい方法で札所を参拝し、ご自身の願いが成就するよう祈願しましょう。










