仏像は、仏の姿を現した像のことです。
菩薩像や明王像や如来像などといったようにたくさんの形があります。
いったいいつ頃から、これらの仏像が造られるようになったのでしょうか。
本記事では、仏像の始まりについてお伝えしていきます。
仏像が造られていなかった時代がある?
仏教を開いたのは、釈尊です。
釈尊が入滅した時期については、紀元前380年頃とされています。
実は、この頃には、現在のような形状の仏像は存在していなかったのです。
仏像が造られなかった理由については、釈尊が神聖な存在だったため、それを形にすることはタブーだったからと考えられています。
そのため、当時の人々は、「仏足跡」、「法輪」、「菩提樹」、「仏座」などを釈尊のシンボルとして表現し、信仰の対象としていました。
仏像の始まりは紀元後一世紀末
人の形をした仏像が造られるようになった時期については、紀元後一世紀末頃だと言われています。
西北インドのガンダーラ地方、および、ガンジス河沿いのマトゥラー地方で仏像が製作されるようになりました。
これらの地域のうち、どちらが先に仏像を造り始めたのかについては、不明です。
また、タブー視されていた人の形で仏像を表現するようになった理由についても、はっきりしていません。
この時代以降は、さまざまな形の仏像がたくさん造られるようになりました。
仏像の種類や性格
冒頭でも述べましたが、仏像にはいろいろな形があります。
実は、仏像の形によって、意味やランクなどが異なるのです。
主な仏像の種類、および、性格については以下の通りです。
如来(にょらい)
「如」は真理という意味があります。
真理を得て悟りを開いた釈尊が、真理の世界よりやって来たことを表している像です。
菩薩(ぼさつ)
如来に次ぐ存在であり、修行中の釈尊を表した像のことです。
千本の手、女性、たくさんの装飾品などさまざまな形で表現されています。
明王(みょうおう)
密教におけるさまざまな役を表している像のことです。
大日如来の化身であり、人々を救う仏様として表現されています。
天(てん)
仏教の守護神を表しています。
如来や菩薩などを守るボディーガードのような存在です。
仏像の始まりについてのまとめ
仏像は、仏教の心理を表現した像のことです。
釈尊が亡くなった後、しばらくの間は人の形をした仏像が造られることはありませんでした。
足跡や車輪や菩提樹などのシンボルで表現されていたのです。
現在のような人の形の仏像がされるようになったのは、紀元後一世紀末以降です。
菩薩、如来、明王などの仏像が製作されるようになり、現在も人々の信仰の対象となっています。