仏教では、お仏壇に手を合わせる際やお墓参り時に、お線香を一緒に供えます。
仏事のほかに、リラックス目的や香りを楽しむために、お線香を焚くこともあります。
日本人にとっては馴染みが深いお線香ですが、その歴史や由来についてはよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではお線香の起源や種類についてお伝えしていきます。
お線香の起源
お香には長い歴史があります。
紀元前3000年頃のメソポタミアでは、神事の際にお香が用いられていました。
その後、仏教の発祥国であるインドへと伝わり、心身を清浄するために使われるようになったと言われています。
日本にお香が伝わったのは、飛鳥時代頃です。
『日本書紀』には、大きな沈水香木が淡路島に漂着したと記されています。
その当時は、お香が仏事や神事として用いられており、室町時代には公家への贈答品としても用いられていたのです。
そして、江戸時代になると、現在のようなスティック状のお線香が作られるようになり、一般庶民の間にも浸透していきました。
スティック状のお線香が作られた時期
スティック状のお線香が作られた時期については、江戸時代の初期頃だと言われています。
天正年間説(1573~1591年頃)、寛文二年説(1662年)などの説がありますが、正確な時期については明らかになっていません。
お線香の種類や形状
お線香には、「匂い線香」や「杉線香」などの種類があります。
また、「単寸線香」、「長尺線香」、「渦巻き型」、「円錐型」などといったようにお線香の形状もさまざまです。
それぞれの特徴については以下の通りです。
匂い線香
匂い線香は、椨(たぶ)の木の皮をもとにして、香木や香料などを調合したお線香です。
白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)のほかに、フルーツ、コーヒー、ラベンダーなどさまざまな香りのバリエーションがあります。
杉線香
杉線香は、杉の葉を原料にして作られるお線香です。
火をつけると、杉の香りが広がるのが特徴です。
単寸線香
単寸線香は、スティックタイプの細長いお線香です。
現代の主流となっています。
長尺線香
長尺線香は、一般的な線香よりも、長い形状をしています。
寺院で使用されることが多いお線香です。
渦巻き型線香
渦巻き型線香は、蚊取り線香のように渦を巻いた形状をしています。
長時間燃え続けるのが特徴です。
円錐型線香
円錐型線香は、灰が広がりにくく、短時間で香りを遠くへ広げるという特徴があります。
お線香の起源や種類についてのまとめ
お線香が日本に伝わったのは、1400年以上前です。
神事や仏事などで用いられていましたが、江戸時代にはスティックタイプのお線香が庶民の間で広まっていきました。
長い歴史を持つお線香には、「匂い線香」、「匂い線香」、「単寸線香」などといったようにさまざまな種類や形状があります。
現代の生活にマッチした「電子線香」も登場しています。
ライフスタイルも考慮したうえで、最適なお線香を選んでみてください。