お寺が誰の所有物なのか考えたことはありますか。
住職の所有物、檀家(だんか)さんたちの共有物などイメージされますが、実際はどうなのか見ていきましょう。
お寺は誰のもの?
お寺が誰のものなのか、すぐにわかるという方もいれば、考えたことがない方もいるでしょう。
お寺の知名度や規模によっても、誰の所有と考えるかはイメージが異なるかもしれません。
世界遺産に登録されているようなお寺や京都や奈良などにある有名なお寺は、それぞれの宗派の本山が所有していると思われます。
これに対して、小さなお寺は住職のものかなとイメージされるのではないでしょうか。
また、檀家として布施や寄付をするなど、積極的に活動している方は、檀家が支えているから檀家の共有物だと考える方もいるでしょう。
現代のお寺は法人化されている
結論からいうと、現代のお寺はほとんどが宗教法人となっているので、宗教法人のものです。
田舎の小さなお寺でも、ほぼ宗教法人になっています。
なぜかといえば、宗教法人となれば非課税となり、メリットが大きいからです。
お布施やお賽銭などの収入に、所得税や法人税はかかりません。
お寺のお堂などの建物や墓地などの敷地に、固定資産税もかかりません。
小さなお寺などでは、住職の地位を子息が代々承継してお寺を維持しています。
住職が亡くなってお寺を承継しても、相続税もかからないので、お寺を守っていくことが可能です。
大きなお寺となると、血縁による承継ではなく、僧侶の中から総代選挙などを経て代表者が決められるケースが多いです。
お墓は建てた人のもの?
お寺内の墓地にお墓を建てる方もいると思います。
よく、お墓を買ったと言いますが、購入したということはお墓は建てた人の所有物になるのでしょうか。
お墓を建てるにあたっては墓地の区画を手に入れることが必要です。
その際は区画を購入するのではなく、永代使用権という、永代にわたって使用できる権利、簡単にいうと借りる権利のようなものを取得します。
代々承継し続けても、所有権を得ることはありません。
借りた土地の上に建てる墓石などは購入しますが、あくまでもお寺の土地の上に建てているので、永代使用料を払えなくなれば、撤去せざるを得なくなります。
まとめ
お寺は住職のものなのか、檀家さんたちの共有物なのかと考えられがちですが、現代のお寺はほとんどが法人化されており、宗教法人のものとなります。
お寺内の墓地に建てたお墓は、区画を永代使用させてもらっており、建てた方の所有物にはなりません。