お坊さんが法要などで唱えるお経は、宗派によってさまざまです。
真言宗がよりどころとする経典は2つあり、法要などで唱えられるお経もその経典から来ています。
ここではその大切な2つの経典について、どのようなものなのか紹介します。
真言宗がよりどころとする経典

真言宗がよりどころとしているのは、大日如来(だいにちにょらい)の教えを説いた『大日経(だいにちきょう)』『金剛頂経(こんごうちょうぎょう)』の2つです。
真言宗は、空海(弘法大師)が長安に渡って学んだ密教が基盤となっています。
経典の歴史
密教は仏教より前に、インドで民間信仰として広まっていました。
4~5世紀に仏教と結びつき、初期の密教が成立します。
ただ、当初の密教は体系化されておらず、占いやおまじないの要素も強いものでした。
実は空海が広める前から、日本にもこうした密教は入っていました。
雑然としていたことから「雑部密教(ぞうぶみっきょう)」もしくは「雑密(ぞうみつ)」と呼ばれ、主に山岳修行者の中で広く行われていたものです。
こうした中、7世紀になるとインドで『大日経』と『金剛頂経』が成立します。
このことで、密教の教えは整備されて体系化されたため、飛躍的に発展することとなりました。
雑部密教と分けるため、「純粋密教(じゅんすいみっきょう)」「純密(じゅんみつ)」と呼ばれています。
両部の大経とその教えの概要

『大日経』と『金剛頂経』は「両部の大経(りょうぶのたいきょう)」と言われます。
『大日経』とは
『大日経』(全7巻)は、大日如来の慈悲による人々の救済を説く経典です。
第1巻が「仏の智ち慧えである悟りとは何か」を解説する理論編、第2巻以降が「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」のための実践編となっています。
また、この教えを具現化したものが、「胎蔵曼荼羅(たいぞうまんだら)」です。
『金剛頂経』とは
『金剛頂経』(空海が伝えたものは全3巻)は、大日如来の智慧の働きを明らかにした経典です。
『大日経』で説かれた悟りの心を把握し、実践する方法を説いています。
悟りに至るための実践法である「五相成身観(ごそうじょうしんかん)」は、5段階の瞑想法(めいそうほう)で説いています。
『金剛頂経』の教えを具現化したものが「金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)」です。
まとめ
空海が日本に持ち帰り広めた経典は、体系化された純粋密教の正統です。
曼荼羅は経典の教えを具体的に表現したもので、真言宗では2つの曼荼羅を「両界曼荼羅」と呼び、大切にしています。
『大日経』と『金剛頂経』、2つの経典の理解を深めるため、一度ゆっくりご覧になってみてください。
















